ただいま準備中です。
親指つけ根の外側の腱鞘炎 ドゥ・ケルバン病
- 物を鷲づかみにした時に親指の外側の付け根がジンジン痛んでしょうがない方
- 整形外科で注射だけ打ってもなかなか改善しない方
- 医療施設で「使いすぎ」と言われたが心当たりが浮かばない方
- 服を着るのも日常の動作が痛くて、いちいち気になる方
- 繰り返し痛めてしまう傾向の方
ドゥ・ケルバンはこの様な仕組みで痛くなってます
「ドゥ・ケルバン病」まずはこの難しい名前と「病」とつくので怖い病気と思いがちです。
「ドゥ・ケルバン」とはこの症状を研究した医師の名前です。そして「傷病」という意味で「病」なのでご安心を。
しかしながら少々長引く症状なので、ある意味厄介な部分はあります。それは後に後述します。
まず手の親指の付け根にこの様な「マカロニグラタン」の様なものがあります。
これを「腱鞘・けんしょう」といいます。
そしてその中を「母指伸筋」という筋肉が通ってます。
この部分をよく使うとこすれてこすれて・・・そうすると鞘のマカロニグラタン部分の「腱鞘」か紐の様な腱や筋肉、「母指伸筋部分」が壊されて炎症が起こります。 これが「ドゥ・ケルバン病」なのです。(炎症=組織が壊されているという事です)
そう、「ドゥ・ケルバン病」とは「腱鞘炎の一種」なのです。
なぜこのような仕組みになっているかというと、「指をブレずに滑らかに動かす為」なのです。
人間の身体って上手く出来ていますね!
日常的によくある「ドゥ・ケルバン病」になってしまいやすい手の動作
「よくある手の動作で痛めてしまうケースを知る」これはとても大切です。
なぜならそれを知ると治療になって早く痛みが治まるだけでなく、そのまま予防につながってきます。
もうこんな痛みは2度と起こしたくはないですよね・・・? なのでここはしっかりチェックしていきましょう!
特に多いのは「物を鷲づかみにする仕事が多い方」です。
そしてもう1つは「親指を立てる動作が多い方」です。
よくある職種としては・・・
・ スーパーのレジ係の方
・ 工具などを使う職人さん
・ レストランなどの洗い物をする方で洗う食器を親指で支えながら洗う方(右利きの方は左のドゥ・ケルバン病になりやすいです)
・ 親指で物をめくるような動作が多い職業の方(例・昔は伝票をめくってハンコを押す方が多い傾向でした)
・ PCのマウスを親指を手前に引く様に操作する方
・ スマートフォンを操作する時に親指でガッシリつかんでる方。 片手での操作の時に親指を使う方。
・・・どうでしょうか? 皆さんの日常をチェックしてみましょう。
いつも痛めてしまっている手の使い方が分かったら・・・使い方のアドバイス
原因が分かったら・・・今度はどの様にして手を使えばいいのかを考えてみましょう。
職種は多岐に渡ってます。 なので様々な使い方があるでしょう。
ここに挙げるのはその一例ですので参考にして頂ければと思います。
でもよくあるケースばかりを挙げてますので、きっと解決できると思いますよ!
親指の付け根が炎症を起こしているためまずは、
1. 下から持つように心がけましょう。
2. マウスやスマートフォンなどは改善しやすいです。もう一度使い方のクセを見直していきましょう!
3. なるべく工具を使う様に心がけましょう。(面倒くさいから・・・ついつい使って痛くなる。という理由で痛めてしまってる方が多いです)
4. 家事でよくあるのは「包丁を握る時に親指を柄にかけて使用する方」「編み物をよくする方」など。
使い方を気を付けてみるのと、セルフケア。どちらが大切かというと、「使い方を気を付けてみる方が優先順位が高い」です。
つまり 使い方を気を付ける>セルフケア ・・・とこの様な感じになります。
セルフケアのやり方
さて今度は仕事中に自分で患部を治す動作を紹介しましょう。
このやり方はそのまま「再発防止のやり方」になってますので、1度でもなった事のある人はしっかりとチェックしていきましょう。
1.まずはこの部分を伸ばす様に意識してみましょう。
「動かしたい部分をイメージして動かすと細部に渡ってしっかり伸びます」これはどんなストレッチや筋肉トレーニングでも一緒です。
これを踏まえたうえで画像の様なストレッチをしましょう。
2.時間がある時はぜひ背中側もストレッチをしましょう。
「手の痛みなのに背中のケア?」と思ってしまいますが、実は背中~二の腕~腕~手首などは連動して動いてます。
この「ドゥ・ケルバン病」になっている方は背中の疲労がある方もなりやすいのです。
「筋肉緊張性の頭痛」の項目でも紹介してますが、この様な背中のストレッチもしてあげると手首のサポートになってくれて治療になってます。
手首のストレッチが終わった後にお時間があるようならぜひ実行してみましょう。
3.回数はどのくらいでやるのがいいの?
回数は基本的には10秒を2回ずつなのですが、何回やっても構いません。
どんどんやった方が効果が高いです。
特に仕事中が一番ダメージをかける時間帯だと思いますので、「仕事中にやる」事をお勧めします。
家に帰った後だと、気持ち的にOFFになってしまってなかなかセルフケアが実行できない傾向があります。
かくいう私も家に帰るとセルフケアが出来ない傾向です(笑)
これはその人にもよるので必ずとは言えないのですが、自分が家に帰るとなかなかセルフケアが出来ないタイプだと思う方はぜひ仕事中にやってみては如何でしょうか(笑)
あまりにも痛い方は当院「霞ケ関片野治療院」では固定装具を使用しています。
患者さんの中には痛みがかなり強くて日常生活に支障をきたしている方がいます。
そんな方には当院「霞ケ関片野治療院」では固定装具を作成しています。
この様に石膏型のシーネ固定を取り付けます。(シーネ固定と言います)
テープで止めれるので簡単です。
石膏型とはいいますが、この固定装具は水やお湯で台所洗剤で洗えるのでとても清潔です。
固定装具まではいかないけれど、とりあえず数日固定して治療を継続する方などはこの様なテーピング固定を実施したりしています。
症状が強い方や、中程度の症状でも希望者の方は石膏の固定装具を装着した方がより痛みが引けます。
中程度~軽度の方はテーピング固定を実施します。
この二つの固定装具でどちらが良いかというと
「その人の生活環境に合わせた方が良い」と私は考えます。
確かにより硬い固定の方が治りが良いのは当然です。
しかしその人の生活環境に合ってないと固定装具を外してしまったり、毎日継続して固定出来ない状況が続いてしまいます。
なので私は固定をする前にその患者さんにその固定が継続して出来る環境にあるかをしっかり話し合って固定の期間や固定の方法を決めています。
例えば石膏の固定の方が良いくらいの損傷程度だとしても、その人が仕事の都合上で石膏固定を続けられない場合はテーピング固定にしたりします。
その代わりに1週間の通院回数をこまめにしてもらったり、セルフケアを積極的にしてもらったりの患者さん側の協力が必要です。
しっかり話し合って自分の環境に合った最適の方法の固定を見極めていきましょう。
注意点! 使いながらの治療なので、1か月ほど時間がかかります! そして治療の優先順位!
治療の期間としては職場環境が良かったり、痛めている動作の原因がすぐに改善出来る状況ならばほんの2週間ほどで改善してしまうでしょう。
しかし実際は仕事柄どうしても手を使わざるを得ない環境の人がほとんどです。
なので大抵の方が「ダメージを負うような動作をある程度しながら治療に取り掛っている」ケースになります。
この様な場合、やはり治療が1か月位はかかってしまいます。
しかし動作の改善をしながら、週に2~3回くらいの施術を受けながら頑張っていくと改善されていきます。
私の経験でなかなか改善しなかった例としては「染物の業者の方で、染物を水洗いする時に手を鷲つかみに揉む動作がどうしても必要な方」でした。
この方は水仕事なので固定装具も出来なくて、半年くらいかかった記憶があります。
固定も治療も大切なのですが、まずは使ってしまう動作の改善がなによりも大切です!
治療の優先順位としては
1位 使ってしまう動作の改善
2位 固定・ストレッチなどのセルフケアや通院した治療の継続
3位 よく温める
この様になってきます。
動作などがすぐにでも改善出来る人は、すぐに改善して早く治しましょう!
そして職場環境などがなかなか改善出来そうにない方は、じっくり治していきましょう!